2013年12月13日金曜日

Iroquois '14 Spring “SCHWARZWALD”

Iroquois '14 Spring “SCHWARZWALD”

Iroquoisはブランド側の意向によりWEBでの先行予約を行っておりません。
気になる商品がございましたらお気軽にお問い合わせ下さい。


“SCHWARZWALD”
深い闇の中を男は歩いていた。
この森の入り口から歩き始めてもう何時間たったのだろう?
森は、日の光が落ちると共に段々と光は沈み闇が、深くなっていく。
そこからさらに森の奥へと進んだ場所に薄らと明かりが見え少し変わった作りの均整の取れない1軒の古いホテルらしき洋館が見えてきた。
男は扉を2、3度ノックする。部屋の中から支配人らしき男が出てきた。男は、その支配人らしき男に話しかける。
「もう、夜も遅くなってきたので泊まらせて頂けないでしょうか?」
支配人らしき男は、
「どうぞ今日は何部屋か空きがありますのでどうぞ中へ」と男をロビーにつれていく。
ロビーで男は、今日の出来事を支配人に話始める
男は、気付くと森の入り口に立っていた。今までのすべての記憶を無くしてしまっていた事、
自分の無くしてしまった記憶のヒントがあるのではないかと思いただただ森の奥へ歩いていた事。
その話を聞いた支配人が、話し始める
「そうですか、ではあなたにぴったりの部屋が丁度空いていますのでそこに泊まってみてはどうでしょうか?
その部屋に、あなたの記憶のヒントがあるかもしれません。」
男は、その部屋に泊まれば何かヒントがあるかもしれないと思い、その部屋に泊まる事にした 。
その部屋は、男が想像していた部屋とは違い普通の部屋だった。

ベッド1つに、机の上にワイン一本あり棚に小さな人形達が飾られていた。
男は、今日の疲れもあり机の上のワインを飲むと次ぐに睡魔が襲ってきて深い眠りについていく。
そこは現実か夢の中か、その部屋の人形達が楽しそうに踊り始めた。
その人形の一体がこちらに向かってきて男に声をかける。
「僕と一緒に遊ぼうよ。僕は、過去におじさんと遊んだ事があるからおじさんが何を好きだか知っているよ。」
「昔、おじさんは、青い鳥を飼っていたでしょ。その鳥をいつも見て僕も空を飛びたいと思っていたでしょ。
だから、おじさんのその腕と僕の翼を交換しよう。そしたらこの部屋の中を自由に飛び回って遊べるよ」
男は、過去に青い鳥を飼っていた事を思い出した。
そして、その人形の翼と自分の腕を交換する。
男は気付く。ここにある人形は自分の捨てた過去だと。
記憶と交換に次々と自分の体をその人形達と交換していく。
そして自分の体をすべて交換した時に男はすべての記憶を思い出す。なぜ森の入り口にいたのかも。
夜が空け男は目覚め動こうとするが体が動かない。
そう、夢から覚めたのに夢の中で交換した体のままだった。
男は過去の記憶と交換に自分の体を捨ててしまった事に気付くそして、その棚に男は並べられていた。
そして、その夜また自分とそっくりな男がこの部屋に泊まりにきた。
ただ一つ違っていたのは、その男の過去に自分(人形)は存在しなかった。